ベビーシッター
モントリオールの大きな屋敷で、
2人の子供の面倒を見るベビーシッターがいた。
ベビーシッターが2階で子供を寝かしつけ、下でTVを見ていると
突然電話が鳴った。受話器をとると、不気味な男の声がした。
そして、「俺はルーシー・モノストーンだ」と言ったんだって。
ルーシー・モノストーンは……その頃はもう殺人鬼としてとても有名だった。
ベビーシッターはいたずらだと思って電話を切ると、
またかかってきて同じことを言う。ベビーシッターは腹を立てて
オペレーターに電話をして事情を話した。
そして、次ぎにかかってきたら電話の相手を逆探知するよう頼んだ。
そして再び電話がかかってきた。
ベビーシッターはオペレーターに言われた通り電話を長引かせてから切った。
男は
「俺はルーシー・モノストーン。たった今どこかのガキを殺したところだ」
と言った。
電話を切るとすぐにオペレーターから電話あって、
慌てた声で「今すぐ家を出なさい」とオペレーターは言った。
なんと電話はその家の2階からかかってきたって言うんだ。
ベビーシッターが電話を切ってふと降り返ると、
包丁を血でべっとりと染めた男が立っていた。
男は
「俺はルーシー・モノストーンだ」
と電話と同じ声で言った。
けれどもベビーシッターはこう言ったの。
「いいえ、あんたは偽者よ、だってあたしがルーシー・モノストーンだもの」。
次の日、その家では2階で殺された2人の子供と
見知らぬ男の死体が見つかり、ベビーシッターの姿はなかった。
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