渋谷七人ミサキ
『援助交際』という言葉が生まれた1990年代。
渋谷で女子高生が次々に命を落とす事件が発生しました。
死因は不明、外傷もなし。
ただ彼女たちの顔は恐怖に歪み、胸元がはだけられていました。
最初はレイプによるショック死なども考えられたそうですが、
暴行の形跡もなかったため、結局真相は謎に包まれたままでした。
当時、女子高生たちの間で「ス○イン坂に行くと赤ちゃんの声が聞こえる」
という噂が流れました。
ある女子高生は火がついたように泣き叫ぶ赤ん坊の声を、
また別の子は「マンマ…」と言うか細い声を聞いたといいます。
そして、その噂を裏付けるように、夏の盛りの夜、
ス○イン坂から女子高生たちの姿が消えた時期もあったのです。
警察がこの噂を耳にした時、関係者の脳裏に嫌な予感がよぎります。
まさかと思いつつ、念のため犠牲になった女子高生たちの
通院歴を調べ直したところ、ある事実が発覚しました。
犠牲になった女子高生の人数は7人。
そして、その全員が堕胎手術を受けていたのです。
当時、避妊の知識もあまり無い女子高生が、
不幸にも相手の子を妊娠してしまうことがよくありました。
相手もはっきりせず、育てていける経済力も無い…。
彼女たちは子供を堕ろすしかなかったのかもしれません。
その時期、産婦人科に堕胎手術を依頼する女子高生は、
かなりの数に上ったそうです。
そして、その数だけ罪のない小さな命が失われていきました。
その子たちが自分を殺した無責任な母親を怨み、
子供を堕ろした女子高生を呪い殺したのでしょう。
7人の女子高生が犠牲となり、誰もがこの呪いは終わったと思いました。
しかしその翌年…
またしても7人の女子高生が原因不明の死を遂げたのです。
実はこのような事件が、かつて起きていました。
百数十年前、ある島で起きた事件で、
島民たちの虐待によって7人の僧侶たちが不遇の死を遂げていたのです。
しかしその後、その僧侶たちが死んだ岬で毎年島民たちが
7人ずつ原因不明の死を遂げるようになりました。
呪いによって死んだ7人は新たな怨霊となり、
同じ数の犠牲を求めたといいます。
この『七人ミサキ』の話と同じように、渋谷のス○イン坂でも
呪い殺された7人の女子高生たちが怨霊となって、
呪いの連鎖を生みだしているのでしょう……。
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